おとつい、ロシア出張帰りの友人と話した際、パリョートのシュトルマンスキー・ストレラの話が出た。
クロノグラフを動かすと時計が止まり、プッシャーのCリングが外れて(壊れたか?)プッシャーが取れたとか。
上のはどれも去年手に入れた時計だが、こちらのジャンク仕入れの時計は未だに動いてると伝えた。
皮肉な物で、友人が新しく手に入れた、最近作られた物がトラブルに見舞われ、
他方ジャンク・中古の二束三文で手に入れた物は、概ねトラブル無く動いている。不思議な物だ。
安く手に入れて、文句無く動いているという条件もあり、お気に入りの時計として使っている。
左がパリョートのシュトルマンスキー。いわゆるロシアンバルジューと呼ばれるSU3133が搭載されている。
現在のP3133になる前の名称らしい。P3133とSU3133の違いはわからない。
単に壊れているだけかもしれないが、20時~0時往復によるカレンダーの早送りができない。
時々使う時に大変面倒だが、毎日巻いて動かしておけば問題ない。
精度は着用時±30秒以内に納まっているようだ。
右と右上がボストーク。それぞれコマンダスキーとアンフィビアンという銘が入っている。
友人曰く、極東ロシアにはこの手のお土産用の、おもちゃみたいな時計がゴロゴロしていたそうな。
(ただし、よく売れているのは安くて丈夫なオリエントだったらしい。)
このベゼルのデザインが特徴的。なんともいえない不思議な印象を受ける。
カレンダーは早送りこそないが、日付がぱちんと変わるので侮れない。
ボストークはリューズを操作する際に、ぐらぐらするリューズを傾け、巻き芯に引っ掛けるような?感覚で回す。
この独特な操作に気付かず、リューズが巻けないという理由で出品されている事例を見たことがある。
緑色のコマンダスキーはジャンクという触れ込みだったが、
結局巻き上げられたし、1分以内とそこそこの精度で動いている。
青色のアンフィビアンは数回使用した美品という触れ込み。当然動いていたし、精度は30秒以内と良好。
額面どおりの防水性は期待できないが、どちらも2000円程度だったので文句はいいっこなし。
左はスラバ。70年代のデットストックという触れ込みを入手。
デイトがパチンと変わる仕様なのはボストークと一緒。しかもこちらには早送りがついている。
デイは早送り不能で、進めたい分だけ針を回さないといけない。
残念ながら、日付の早送りプッシャーがちゃんと戻らず、中途半端にしか日付が進まず。
機械側はパチンと進めるようになっていたので、
ケース側のプッシャーのバネが効く様に調整できないか検討している。
なお、少し振ることで進めたカレンダーがきちんとした場所にセットされる。
デザインといい、なんともいえない癖のある時計。
右はパリョート銘だが、どうもハンハルトを模したデザイン。
一時期ハンハルト銘だかチュチマ銘だかのロシア製時計が出回っていた時期があったようだが、
その時計のケースに形状が良く似ている。関連があるのだろうか。
ジャンクで入手し完全に止まった状態だったが、油を挿し、ちょいちょいと歯車を押す荒業で動き出した。
現在では一日+1分以内で動いていて、十分日常で使用可能。
クロノグラフも普通に使うことが出来るようだ。
コインエッジベゼルとコブラハンドの組み合わせが光るデザインで(元が良いというべきか)、
ロシア時計の中で一番のお気に入り。雨の日は避けたいが、よく着けている。
どれもコレも一癖ある時計ばかりだが、不思議な魅力がある時計。
決して高級でもなく、高い信頼性とはいかないが、
スイス、ドイツ、日本、中国とはまた違った面白さを感じている。
もしまた機会があれば、パリョートかボストークを手にいれたい。